副院長 草深 裕光

よき臨床医を育てたい

私はこれまで、20年近く腎臓と透析療法に関わってきましたが、2003年4月に新しく総合内科を設立しました。総合内科は聞きなれない診療科と思いますが、総合内科を設置した主な目的は患者様中心の全人的医療、研修医を含めたチーム医療の実践と、臨床と教育の両立です。

患者様は、様々な訴えや悩みを持って病院を訪れます。当院のような地域医療機関では、私は「○○病」「××症」と診断がついた状態で来院される方のほうが少ないくらいです。総合内科では、内科の初診や救急外来を受診される、診断がついていない患者さんや多くの臓器にわたる疾患を抱えた患者様、既存の臓器別診療で分類することができない疾患を中心として診療にあたります。発熱、食欲不振、意識障害、貧血、皮疹等といったごく一般的な訴えの患者様が多いのですが、結果として診断される疾患は多様で、多くの臓器や全身に及びます。来院から確定診断、そして治療へとつながる基本的な診察のステップを、繰り返していくことが臨床の基本です。むやみに多くの検査に頼ることなく、患者様の訴えや話をよく聞き、きちんと全身を診察し、得られた情報を整理・統合し、病態を把握します。こうして迅速で正しい診断を下したうえで、適切な治療を提供することが患者様の満足につながると考えています。

当院は、厚生労働省が指定する臨床研修指定病院であり、約20名の研修医が教育プログラムに従って診療各科で研修に励んでおります。研修医教育の中心となる総合内科では、スタッフと研修医で診療チームを作り、臨床と教育の両立を図りながら毎日診療しています。また、当院は名古屋大学、名古屋市立大学、藤田保健衛生大学、愛知医科大学医学部学生の学外実習施設となっており、年間を通して多くの医学部の学生が実習、見学に訪れます。医学部の学生は診療チームの一員として医療に参加し、患者様と話し、診察し、病気や悩みについて一緒に考え、我々と討論しながら多くのことを学んでいきます。総合内科では多くの勉強会を企画・実行するとともに、毎日、入院中の患者様全員の診療に関してチームミーティングと症例検討を行っています。患者様の診療上の問題点、疑問点についてスタッフと研修医が情報を共有し、最善の方法についてお互いの意見を聞きながら決定していきます。こうして、若い医師や研修医が一人で困ることがないようにすること、そして他の医師の意見を素直に聞けるような環境作りに心がけ、安全の確保に努めています。卒後臨床研修がon the job trainingである限り、臨床と教育の両立にはこうしたチーム医療が不可欠と考えています。研修医そして医師の教育、学生の教育の際には皆さまにご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、彼らは「よき臨床医」となりうる将来有望な医師の卵です。何といってもやる気と情熱にあふれています。我々を含めた臨床医は患者様から教えられ、成長していきます。なにとぞご協力とご理解のほどをよろしくお願いいたします。

プロフィール

略歴

1984年(昭和59年)
   4月 名古屋大学医学部卒業、新生会第一病院 入職
1985年(昭和60年)
   4月 名古屋記念病院内科 入職
1987年(昭和62年)
   4月 名古屋掖済会病院腎臓内科 入職
1991年(平成3年)
   4月 名古屋記念病院内科 入職
1995年(平成7年)
   4月 名古屋記念病院内科部長 就任
2002年(平成14年)
   8月 名古屋記念病院副院長 兼 内科部長 就任
2004年(平成16年)
   9月 名古屋記念病院副院長 兼 総合内科部長 就任
2007年(平成19年)
   4月 名古屋記念病院副院長、総合内科(現職)
   個人情報保護管理責任者(CPO)、医師臨床研修プログラム責任者
   

専門

腎臓、透析・血液浄化療法、膠原病、感染症、医学教育、医療情報

所属学会

日本内科学会、日本透析医学会、日本医学教育学会、日本腎臓学会、日本TDM学会、日本救急医学会、医療の質と安全学会、米国内科学会(American college of physicians)

主な資格

日本内科学会認定内科専門医
日本透析医学会認定透析専門医・指導医
Fellow of American College of Physicians(FACP)
日本TDM学会評議員
名古屋大学医学部医学科臨床教授
愛知医科大学医学部臨床教授
NPO法人EBIC研究会理事

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