副院長 武内 有城

安全で患者さんにやさしい外科・救急治療を求めて - 患者参加型医療の実践 -

 当院の外科・救急部のモットーは「自分の家族に受けさせたい医療の実践」であり、救急部は日中(8:30~17:00)の救急担当として専門の医師を配置し、安心して患者さんが受けられる体制となっております。また、最新の心肺蘇生や外傷初期治療を取り入れ、院内だけでなく一般の方々への普及活動も行っております。さらに、2007年より患者さん参加型医療安全として、「Speak Up」キャンペーンにも取り組んでいます。JCAHO(米国医療施設評価合同委員会)の提唱する「Speak Up」とは、患者さん参加型の医療安全対策として「SPEAK UP」の頭文字を用いて、「Speak up:何か不安があったり、おかしいと思うことがあったら声に出す」「Pay attention:自分の受ける治療や検査に注意する」「Educate:自らの疾患や治療を学習する」「Ask:家族や友人にサポートを依頼する」「Know:自分の治療内容、特に薬剤・点滴と検査結果を知る」「Use:安全な病院を選んで利用する」「Participate:患者さん自らが医療に参加する」の7項目を患者さんおよび家族に協力していただき、医療事故を予防するものです。今こそみなさんも医療を担うサポートメンバーとして、自らの、ご家族の医療に参加していただき、われわれと安全で納得できる医療を「共につくる」にご協力いただければと思っています。この「Speak Up」に関するお知らせは、救急部の紹介欄にパンフレットが掲示されていますので、是非ご覧いただければ幸いです。
 これらに加えて、当院ではNST(Nutrition Support Team : 栄養サポートチーム)を2003年12月に立ち上げ、2004年4月より活動を開始しています。現在、TNT(Total Nutrition Therapy : 医師のための臨床栄養生涯教育プロジェクト)講習を修了した私をリーダーとして、医師、看護師、栄養士、薬剤士、検査技師、理学療法士、言語聴覚士、医療ソーシャルワーカー計37名からなるチームとして活動し、日本静脈経腸栄養学会の正式認定稼動施設・教育施設となっております。活動内容は栄養療法からリハビリまで多方面にわたり、患者さんの栄養状態の改善および日常生活の質の向上(例えば床ずれの予防、摂食障害リハビリ、口腔ケアなど)に取り組んでいます。当院のホームページに、栄養管理の理論から方法までを含めた当院の「NST活動」を詳しく紹介しておりますので、医療関係者の方も是非ご参考にしてください。
 2006年度からは、当院で4年前から取り組んでいた新しい外傷治療としての「湿潤療法(うるおい療法)」をさらに発展させて、褥瘡(床ずれ)などの慢性的な難治性の創傷にも適応を広げた「創傷のトータル管理」も開始しました。また、動脈硬化などによる血行不良が原因で発生する壊疽(皮膚の壊死)などにも、血管外科による手術や血管内治療などを駆使しての治療も開始しています。これらの創傷治療の取り組みは、これまで治らない、治りにくいと考えられていた疾患への新しい試みであり、「患者さんのための、患者さんにやさしい治療」の実践として積極的に進めています。
 これからの医療は、「十分な説明と同意(インフォームド・コンセント)」はもちろんのこと、さらに一歩すすんで患者さん自らが自分の治療を理解し、納得して、積極的に参加する「患者さん参加型医療」の考え方が中心となっていくべきです。従って、患者さんは治療を受ける受け手という概念をなくしていただき、自分で自分の治療を選び実践する主役であり、私たちはそのお手伝いをするものと考えております。

プロフィール

略歴

1986年(昭和61年)
   3月 名古屋大学 医学部 卒業
   4月 私立四日市病院外科勤務
1991年(平成 3年)
   4月 名古屋大学医学部大学院医学科 入学
1995年(平成 7年) 
   4月 岐阜県立多治見病院外科勤務 医長
1997年(平成 9年)
   8月 名古屋記念病院勤務
 

専門

肝・胆・膵外科を中心とした消化器・一般外科、門脈圧亢進症、救急救命医学、心肺蘇生、
臨床栄養学、創傷治療、緩和医療

所属学会

日本外科学会、日本消化器外科学会、日本臨床外科学会、日本外科系連合学会、日本内視鏡外科学会、日本肝胆膵外科学会、日本門脈圧亢進症学会、日本腹部救急疾患学会、日本消化器病学会、日本肝臓学会、日本癌治療学会、日本救急医学会、日本臨床救急医学会、日本外傷学会、日本緩和医療学会、日本蘇生学会、日本静脈経腸栄養学会、日本褥瘡学会、日本熱傷学会、日本創傷治癒学会、日本口腔ケア学会、東海外科学会、愛知臨床外科学会、愛知NST研究会、中部褥瘡学会、日本救急医学会中部地方会、日本肝癌研究会

学会評議員等

日本臨床外科学会評議員、日本肝胆膵外科学会評議員、日本口腔ケア学会評議員、東海外科学会評議員、愛知臨床外科学会評議員、日本静脈経腸栄養学会評議員、日本静脈経腸栄養学会東海支部会世話人、愛知NST研究会世話人、東海救命救急SBMN研究会世話人、東尾張地域連携栄養カンファレンス世話人

主な資格

日本外科学会専門医、日本外科学会指導医、日本消化器外科学会専門医、日本消化器外科学会認定医、日本消化器病学会専門医、日本蘇生学会指導医、日本肝臓学会専門医、日本臨床外科学会評議員、日本肝胆膵外科学会評議員、ICD(インフェクション・コントロール・ドクター)、AHA BLSプロバイダー、AHA ACLSプロバイダー、日本救急医学会ICLSインストラクター、日本外傷学会JATEC インストラクター・ポテンシャル、日本静脈経腸栄養学会NSTコア・スタッフ、名古屋大学医学部臨床准教授、TNT (Total Nutrition Therapy : 医師のための臨床栄養生涯教育プロジェクト)修了、EPEC-O (Education for Palliative and End of life Care-Oncology:がん緩和および終末期医療の教育プロジェクト)修了、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医、日本緩和医療学会推薦がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会指導者、がん医療に携わる医師に対するコミュニケーション技術研修会修了

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