臨床工学部

臨床工学技士法は20年前に公布されましたが、名古屋記念病院ではその必要性を重要視し22年前の創立時より臨床工学職が 設置されています。国家資格の専門職の中では比較的新しい職種で、職務の範囲は多岐にわたり、工学と医学の技術と知識を生かし、 病院内の様々な医療機器の操作・保守点検・管理を行います。

業務内容

当院の臨床工学部は発足から永い歴史を持ち、主任1名を筆頭に、男性7名・女性4名の計11名から構成された臨床工学技士 のみの部で、院内では看護部・放射線部・検査部などと並び、チーム医療の一員として対等な立場から患者様を支えております。 我々が行っている主な業務は以下の通りです。


ME機器保守管理業務

ME機器とは、病院で使用されている医療機器のことです。 名古屋記念病院には細かいものも合わせると約1,000台の医療機器があり、臨床工学部では病院で使用されている様々な特殊な機械 の保守管理をしています。医療機器を安全かつ効率よく運用させるため、臨床工学部では独自の管理システムを開発し、 コンピューターを使って医療機器の貸出や保守点検をしています。また、病院のスタッフ向けに医療機器の取扱い説明や 各種勉強会の開催を行うなど、適切かつ確実な安全管理体制を支援しています。

人工呼吸器
輸液ポンプ

人工呼吸器は、人の呼吸の代行をする機械です。 主に集中治療室にて使用します。

輸液ポンプは点滴をする際に使用する機械です。 安全で正確に点滴するために使用します。
電気メス
内視鏡装置

電気メスは、生体を負荷として高周波電流を流し、発生する熱を利用して切開・凝固作用を導き出す機械です。

内視鏡装置は、本体に光学系を内蔵し、先端を体内に挿入することによって、内部の映像を手元で見ることができる装置です。
麻酔器
ESWL

麻酔器は手術をする際に、麻酔ガスや液体の麻酔薬を気化させガス状態で患者様に吸入させるための機械です。

体の外で人工的に発生させた衝撃波を体の中の結石に加えることによって、結石を粉々にする治療です。
ME機器管理システム
PDA

臨床工学部では医療機器管理業務を支援するために、独自で開発した管理システムを使用しています。 院内に1,000台以上ある医療機器を登録してあり、機器の点検・修理履歴や稼働状況の把握、 点検のスケジュールや添付文書に至るまで、医療機器を管理する上で必要な情報を電子化することにより、 効率的で正確な管理が行えるようにしています。 また、PDAを利用して毎日の医療機器の稼働状況を把握し、点検結果の入力をしています。 ペーパーレスにすることにより、過去の履歴など膨大な機器のデータを安易に管理することができます。


集中治療室業務

集中治療室業務として、集中治療室で治療を受ける術後腎不全や急性腎不全などの患者様に血液浄化業務や、多臓器不全などの 患者様に持続血液透析ろ過や血漿交換療法などを行います。当院では、スムーズに治療に移行できるよう指示がレベル分けしてあり、 短時間の緩徐式血液透析ろ過から、持続血液透析ろ過と血漿交換の直列同時治療など、緊急性の高い多種多様な治療に素早く対応できる よう工夫しております。集中治療室には、個人用透析装置を2台配置し、各部屋にRO水供給配管を設置しております。 それにより、いつでもどの病室でも清浄な透析液による透析治療を行うことが出来ます。それに加え循環器科領域で行われる IABP業務なども行い、多岐にわたり、臨床工学技士が24時間対応できる体制をとっております。

心電図モニター
IABP

心電図モニターは体に電極を貼り、心臓の電気的信号を表示するための機械です。 心拍数や呼吸数なども測定できます。

IABPとは、大動脈と呼ばれる心臓から出る太い血管にバルーンを入れ、心臓の仕事量を減らすことができる機械です。


血液浄化業務

名古屋記念病院における血液浄化業務は、血液浄化センターにて行われ、腎臓の機能が低下した患者様に対して、 人工腎臓を用いて腎臓の働きの代行を行っています。
当院は入院患者様専用に16床(隔離用個室含む)、外来通院患者様向けに 40床(隔離用個室含む)で治療を行っており、その中で臨床工学技士は、透析の開始終了・透析中のバイタルチェックなどの 臨床業務や、透析装置の保守点検などの管理を行っています。
当院では、通常の血液透析療法のほかに、置換液型血液透析ろ過療法、吸着型血液浄化器療法、オンライン血液透析ろ過療法など、 患者様に合った透析治療を行います。これらを安全に安心して行えるよう臨床工学技士が、細かな機器管理と透析液清浄化の管理を 行っております。特に、清浄化に関しては、全ての透析装置にきれいな透析液を供給できるよう、RO水循環システム、 透析原液循環システム、透析液循環システムを有し、二重のフィルターで透析液を清浄に保っております。 また、日常的な管理として、全ての水回路でのエンドトシキン値測定や、R2A培地による細菌数調査、同時に細菌培養同定検査も行い、 細菌汚染発生の汚染経路の早期発見に役立てております。また、ACT測定器や止血機構モニタリング装置、クリットラインモニターなどを 用いて、患者様にもっとも適した透析条件を調査し、常にその患者様に合う透析条件を医師とともに考えています。 加えて、抜針出血感知センサーの開発や誤穿刺防止ホルダーの開発など、常に新しい試みを行い、透析中の患者様及びスタッフの安全管理を 積極的に進めております。 学術面では、透析液清浄化のための透析装置の洗浄方法や透析液の管理方法について以前から研究を続けており、毎年、 日本透析医学会学術集会などで、演題発表を行っております。現在では環境問題に配慮し、病院近辺の環境保全を考え、 消毒液を使わない「クエン酸熱湯消毒洗浄方法」を先駆けて導入し、透析排液中和装置を用い大量の透析排水による下水の汚染防止にも 力を入れています。
このように、患者様が安心して最先端透析治療を受けられるよう、きめ細かな管理を臨床工学技士が行っています。

透析室風景
透析装置点検
外来透析室では日勤帯と準夜帯にそれぞれ3名の臨床工学技士が働いており、患者様に穿針をしたり、血圧を測定したりと 看護師さんと協力して臨床業務を行っています。また、ホスピーグループ全体で進めている業務を支援するためのシステム管理など、 コンピューターを使った業務もしています。 名古屋記念病院には、人工透析をするための機械が約60台あります。 それらの機械の点検・修理など、徹底した保守管理をすることにより、安全な治療が行えるように日々努めています。


RO装置
クリットラインモニター
人工透析において、一番大事なものは水です。写真はRO装置といい、一般の水道水を特殊なフィルターを通して処理し、 治療に使えるように不純物のない水を作製する機械です。 この装置は1分間に30リットルもの水を処理することができます。 クリットラインとは、血管の中の脱水状況を知るため機械です。 人工透析治療において、患者様の水分量や血圧を管理することは大切なことです。 こういった機械やコンピューターを使って安全に治療が行えるよう、臨床工学部では様々な努力をしています。


血漿交換療法業務

当院での、血漿交換療法には、潰瘍性大腸炎や肝炎、家族性高コレステロール血症などの患者様に対して、血液と血漿を分離し 血漿中から疾患の原因となる物質を取り除く治療や、血液と血漿を分離せず血球成分自体を直接処理する白血球除去療法などがあります。 治療場所として、入院患者様には集中治療室や各病棟をはじめ、外来通院患者様に対しても血液浄化センターなどで行い、 医師や患者様のニーズに応じた色々な血漿交換を行っております。

当院では、
①単純血漿交換療法
②血漿吸着療法
③二重濾過血漿交換療法
④LDLアフェレーシス療法
⑤白血球除去療法
⑥顆粒球除去療法
などを行っております。

また、造血幹細胞採取などの 特殊な血液採取も行います。


臨床工学部のあいことば


臨床工学部のあいことば
我々、臨床工学部は患者様への安全医療の提供に努め、チーム医療に徹底します。

・医療機器に係わる安全管理のための体制を確保します。
・医療機器の安全使用を目的とした改善のための方法を追求します。
・医療機器の安全使用のために必要な情報を一元的に収集し、適切に提供します。
・高度な医療機器を駆使し、安全な臨床治療を提供します。
・他機関との交流を率先して行い、幅広い先進的な技術の習得に努めます。

臨床工学部フォトシネマ   http://www.hospy.com/nmh_index.html

部署一覧