透析提供システムの特徴

医局の特徴

ホスピーグループの透析治療体制は、月1回グループ内の全透析関連医師が参加する腎・透析医局会において議論し、方針が決定されていきます。定期検査項目の変更や、透析支援システムの改良等、医局の意見をもとに、よりよい透析医療の実施のため、関連部署が協力しています。

学会への参加には、様々な形でグループとしてサポートする体制が構築されています。国内だけでなく、海外の学会に演題を出し発表にいかれる先生もおられます。出張旅費制度等で積極的に学会発表等を応援する体制をとっています。

また、臨床研究や治験へも積極的に参加し、倫理委員会の承認のもと、さまざまな治験に協力しています。

 

 

コメディカルの積極的参加

ホスピーグループの特徴として、医師だけではなく看護師、臨床工学技士、栄養士、リハビリセラピスト、MSW等も良質な透析医療の提供に参画し、積極的に活動していることがあげられます。
慢性腎臓病療養指導看護師はグループ内に40人近く在籍し、愛知県の同資格所持者の30%以上がホスピーグループの所属です。



学会発表も積極的に行い、毎年日本透析医学会への演題が、グループ各施設のコメディカルスタッフから出されます。
臨床工学部も日々の危機管理や臨床業務だけでなく、在宅血液透析管理、透析支援システムの開発、臨床工学技士の視点からよりよい透析管理の指標のモニターを行っています。




その他、薬剤部、栄養科、MSW等の透析関連の業務に積極的に取り組んでいます。



 

医療の質のモニタリング体制

現在、われわれホスピーグループは、より質の高い透析医療の実現のため、透析関連の臨床指標(クリニカルインディケーター)を独自に設定、モニターし、グループ内及び、他の透析施設や全国データと比較することで、維持透析の質を改善する取り組みを始めています。

現在、腎性貧血管理の状況や、CKD-MBDの管理状況を施設別に(または透析クールごと)にモニターし、医局内で議論することにより、より良質な透析医療の実現に努力しています。

 

 

 

 

 


透析支援システム

ホスピーグループでは、市販のソフトを活用し、透析業務管理支援システムを独自に開発し、院内ネットワークの構築により、医師業務の一環をサポートしています。多彩なシステムを効率よく活用することで、多職種との連携をはかり、患者情報の整理、管理が容易となり、院内での円滑な医師業務の遂行が可能となっています。 また、独自に支援システムを開発したことにより、医局のさまざまな要望を聞きながら、医師の透析回診を効率的に行うことをサポートするさまざまな取り組みを行っています。

 

 

その他に、「薬剤処方履歴」、「受診・検査・処置履歴」等の情報も管理され、院内のパソコンならどこでも閲覧することが可能です。患者データの経時的変化を、グラフ表示で表現させていますので患者の経過が簡潔に情報収集することができ、迅速な臨床判断が可能となります。

 

入力された情報は、履歴として残されていき、いつでも閲覧可能です。書面を手書きで作成する必要がなくなり、簡潔に短時間にて診療情報提供書を作成することができます。書面に掲載される患者情報、検査データ等は透析管理支援システムのデータベースを元としていますので何度も入力の必要がありません。

透析業務管理支援システムを活用し、幅の広い運用をしていますので、多種多様の情報を一元化管理することにより、データの共有化がはかれています。医師業務の一つとしての患者情報収集、診療情報提供書作成を簡素化にすることでサポート体制を整えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

透析装置

ホスピーグループは一連の血液透析業務を自動化する”全自動透析装置”を順次導入しています。これは血液回路のプライミングから、開始・終了操作に至るまでを装置側で自動化するものです。

プライミングには、従来の生理食塩水に代わり清浄化された逆濾過透析液を用います。定められた配管ポイント、及び各装置ごとにエンドトキシン値、生菌数を定期的に測定することで、透析液の清浄度を担保し安全な透析治療を実現しています。

開始・終了操作においては、複数の工程を踏まなくてはならなかった操作が大幅に簡素化されています。スタッフの透析装置操作に関わる負荷を軽減し、患者の状態把握により時間を費やすことで、安心して治療に臨める環境を構築しています。また操作の簡素化は誤操作に起因した医療事故発生リスクを最小限に留め、同時に装置への接触回数が大幅に減ることで感染リスクの低減も期待できるものと考えます。

 

水質管理

 

ホスピーグループでは、1980年代よりハイパフォーマンスメンブレンと呼ばれる膜孔の大きなダイアライザーが使用されるケースが増加する中で、透析患者は透析液の汚染の影響をより受けやすくなると認識し、さまざまな取り組みを行ってきました。現在は、臨床工学部が中心となり、透析施設設計の段階から、さまざまな透析液清浄化の取り組みを行っています。

透析液を作成するうえでRO装置は重要であり、RO装置メーカと共同で消毒機構について検討し、安全で安心な装置を開発、クリーンなRO水を使用できる体制を構築してきました。また、透析室側の清浄化対策として内面段差やデッドスペース、屈曲部での滞留の問題を解決するため、配管にフッ素樹脂を材料であるPVDFを採用しています。配管の設置についてもループ配管を採用し常に清浄化された透析液を供給できるよう心がけてます。 

このように汚染源を特定し対策を講じることによって安定した清浄化透析液の供給が可能となっています。ホスピーグループでは、透析液清浄化対策を積極的に取り入れ、良好な状態を維持しています

 

より良いシャント治療の提供…SEARCHシステム

Sequential Evaluation of vAsculaR aCcess in Hospy

ホスピーグループでは、サテライトクリニックと新生会第一病院のシャント外来との連携を病変や異常を早期発見するために“探す”という意味を込め、SEARCHシステムと名付け、チームでVA管理を行う体制を構築いたしました。それぞれの役割として、看護師は患者様の身体的状況から情報の把握、患者への教育、VAの観察など主観的評価、臨床工学技士はIT技術とシャント超音波検査を中心としたモニタリング装置を活用し、VA情報を数値化することで客観的評価、医師はコメディカルからの情報から総合的評価とスタッフ教育を行い、それぞれ役割を担い、VAトラブルを早期に発見し、迅速に新生会第一病院のシャント外来が受診できる体制を整え、ホスピーグループとしてチームでVA管理を行っています。