病院情報の公表 ~令和元年度 個別病院指標~

 

平成31年4月1日から令和2年3月31日に一般病棟を退院した患者さんを集計の対象としています。
入院後24時間以内に死亡した患者さんまたは生後一週間以内に死亡した新生児、臓器移植を行った患者さんは集計対象外としています。
自費診療や労災・自賠責等の医科保険以外の保険を使用した患者さんも集計対象外としています。
集計期間内に同一人物が複数回入退院した場合、延べ患者数として数えています。
なお、患者数が10未満の数値は、個人情報保護に配慮して「-」としています。

 

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数

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年齢区分

0~

10~

20~

30~

40~

50~

60~

70~

80~

90~

患者数

1245 255 242 374 501 655 945 1862 1613 481

 

 

令和元年度に一般病棟を退院した年齢階級別の患者数を表します。年齢は一般病棟に入院した時点のものを使用しています。
当院は地域医療支援病院であり、名古屋市の南東部に位置する天白区における中核病院として、幅広い年代の患者さんに質の高い医療を提供しています。
また、病病・病診連携や救急医療に重点を置いた急性期医療・地域医療を展開しています。全体をみると60歳から89歳の患者さんが全体の約54%を占めており、また0歳から9歳の患者さんが全体の約15%を占めています。

 

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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DPCコード

DPC名称

患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040081xx99x00x

誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし

27 32.44 20.84 44.44% 86.59
040040xx9910xx

肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし

26 5.00 3.34 3.85% 67.15
0400801499x002

肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なしA-DROP スコア2

24 18.92 15.17 16.67% 82.83
040120xx99000x

慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし

20 14.25 13.61 5.00% 75.15
040200xx99x00x

気胸 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし

20 9.00 9.11 15.00% 45.30

肺癌、肺炎、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎など様々な呼吸器疾患の診療を担当しています。高齢化社会を反映し、誤嚥性肺炎の患者さんが最も多いです。平均年齢は87歳で入院期間が長く、自宅や施設に退院できずに転院となる患者さんが多くなります。次いで気管支鏡下肺生検目的で入院となる肺癌の患者さんが多く、安全かつ正確に検査を行うため短期入院で施行しています。三番目に75歳以上の市中肺炎の患者さんが多く、やや重い症状の患者さんが多くなります。市中肺炎とは、普段は健康に過ごしている方に発症するもので、肺炎球菌肺炎やマイコプラズマ肺炎が代表的です。四番目は慢性閉塞性肺疾患で入院となる患者さんです。慢性閉塞性肺疾患とは、タバコの煙など有害物質を長期に吸入暴露することで生じる肺の炎症性疾患です。五番目に多い気胸とは、肺に穴が開き胸の中へ空気が漏れて肺が縮んでしまう病気で、若い男性に多く起こります。胸腔ドレナージが第一の治療ですが、肺のふくらみが悪い場合や再発する場合は胸腔鏡下手術や胸膜癒着術を行うことがあります。

 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060100xx01xx0x

小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし

304 2.23 2.63 0.33% 66.09
060210xx99000x

ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし

57 11.25 8.89 3.51% 68.81
060102xx99xxxx

穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし

47 9.81 7.65 0.00% 64.60
060340xx03x00x

胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし

45 15.58 9.79 2.22% 74.11
060335xx99x00x

胆嚢水腫、胆嚢炎等 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし

33 11.03 10.65 0.00% 63.73

消化管領域と胆膵領域の疾患の診療を担当しています。小腸大腸の良性疾患で内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術を行っている患者さんが最も多いです。次いで手術や処置等は行わず、絶食、安静で保存治療を行う腸閉塞の患者さんが多いです。三番目に大腸の憩室性疾患の患者さんが多く、絶食、安静で保存治療を行っています。四番目に胆石症、胆管炎の患者さんが多く、内視鏡的胆管ドレナージ術や胆石破砕術などを行っています。五番目は胆嚢炎の患者さんです。胆石や総胆管結石を伴うことが多く、手術をしない場合は抗生剤による保存治療を行います。

 

 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050130xx99000x

心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし

103 24.12 17.71 11.65% 83.00
050050xx02000x

狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし

63 4.94 4.40 0.00% 69.60
050050xx99100x

狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし

60 3.65 3.01 3.33% 69.08
050050xx99200x

狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 副傷病なし

51 4.14 3.15 0.00% 73.10
050130xx9901xx

心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり

40 29.08 19.44 22.50% 83.68

虚血性心疾患、末梢動脈疾患、不整脈、心筋疾患など様々な心臓疾患の診療を担当しています。心不全の患者さんが最も多く、薬物・非薬物治療を組み合わせて治療を行っています。他疾患と比較すると高齢で、合併症が多く入院期間が長くなっていることが特徴です。二番目は狭心症で予定経皮的冠動脈形成術(PCI)を受けた患者さんです。上位5位には入っていませんが急性心筋梗塞でPCIを受けた患者さんは15名でした。三番目と四番目の狭心症の患者さんは心臓カテーテル検査、もしくは心臓カテーテル検査と冠動脈血流予備能測定検査を行っています。検査のみのため入院期間は他疾患よりも短いです。五番目は人工呼吸を行った心不全の患者さんです。

 

DPCコード

DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢

040090xxxxxx0x

急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病なし

153 5.35 6.19 1.96% 1.42

040070xxxxx0xx

インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし

139 5.39 5.73 0.00% 2.36

060380xxxxx0xx

ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし

139 4.48 5.39 0.00% 4.47

150040xxxxx0xx

熱性けいれん 手術・処置等2なし

99 4.17 3.81 1.01% 1.86

0400801199x00x

肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし

93 5.82 5.69 0.00% 3.24

一般小児科診療から各専門分野の小児医療を担当しています。上記結果より、感染性の疾患が多いことが特徴としてあげられます。気管支炎、ウイルス性肺炎、ウイルス性腸炎、熱性けいれん、細菌性肺炎・気管支肺炎の順に多くなっています。どの疾患もほぼ1週間以内に退院しています。上位5位には入っていませんがアレルギー性疾患や川崎病に対しても多数治療を行っており、特定疾患などの幅広い疾患に対応しています。地域連携・救急医療に力を入れており、紹介患者さんや救急外来を受診される患者さんが多いことが特徴で、年間1300~1500人の小児科入院患者さんの約44%は救急外来からの緊急入院です。

 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060160x001xxxx

鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等

95 5.61 4.85 1.05% 69.19
060150xx03xxxx

虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等

56 5.29 5.45 0.00% 33.91
060330xx02xxxx

胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等

48 6.67 6.37 0.00% 55.67
060150xx99xx0x

虫垂炎 手術なし 副傷病なし

37 7.11 6.94 0.00% 41.46
060335xx02000x

胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし

21 8.86 7.13 0.00% 59.43

当院の外科では呼吸器外科専門医と消化器外科専門医を含む6名の医師で日常臨床を行っています。
鼠径ヘルニアは足の付け根辺り(鼠径部)の筋肉の薄いところから腸や内臓脂肪などが押し出され、 皮膚のところまで飛び出す疾患です。手術を行って短期で退院する患者さんが多いです。急性虫垂炎は非常に頻度の高い疾患ですが、軽症のものから腹膜炎や膿瘍形成を伴ったものなど様々です。抗生物質を用いた保存的治療を行い、手術を回避する治療もよく行われますが、手術が必要になる場合もあります。炎症が高度であり、回盲部切除など侵襲が大きくなることが予想される場合には、抗生剤治療をしっかり行い、一旦退院後、後日待機的に手術を行うinterval appendectomyという治療が一般化されているため、手術なしの虫垂炎患者さんの入院が多くなっています。虫垂切除術も当院ではほとんどが腹腔鏡下で手術が施行され、低侵襲治療が可能となっています。胆石症、胆嚢炎については消化器内科とも協同して治療を行い、ほとんどの患者さんが腹腔鏡下で手術を施行することが可能となっています。

 

 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
160800xx01xxxx

股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等

212 27.89 25.94 80.19% 82.47
070010xx010x0x

骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1なし 副傷病なし

73 5.18 5.41 0.00% 44.97
160760xx97xxxx

前腕の骨折 手術あり

69 2.68 5.54 1.45% 56.10
160780xx97xx0x

手関節周辺の骨折・脱臼 手術あり 副傷病なし

57 2.18 4.11 0.00% 50.44
160850xx01xx0x

足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等 副傷病なし

41 9.59 15.59 14.63% 51.17

骨折、関節疾患、脊椎疾患、リウマチ性疾患や神経障害、骨粗鬆症、骨軟部腫瘍等の診療を担当しています。当科では外傷と骨軟部腫瘍を主に治療しています。最も多いのは、高齢者に多く発症する大腿骨近位骨折に対し人工骨頭挿入術や骨折観血的手術を行う患者さんです。地域連携パスを利用し病病・病診連携を積極的に行っているため、転院率が高くなっています。二番目に多いのは良性骨軟部腫瘍に対し摘出術を行う患者さんです。骨軟部腫瘍は他病院からの紹介が多く、当院の大きな特徴であるといえます。三・四番目は上肢の骨折で、手術を行い短期間で退院する患者さんが多いです。五番目は足部の骨折に対し手術を行う患者さんで、上肢の骨折と比較すると入院期間は長く、転院率は高くなっています。

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
010060x2990201

脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2

31 17.55 16.16 45.16% 77.19
010060x2990401

脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2

29 18.48 16.13 37.93% 73.90
160100xx97x00x

頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし

29 8.76 9.67 13.79% 80.03
160100xx99x00x

頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし

26 11.00 7.34 19.23% 60.50
010040x099000x

非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし

16 21.81 18.81 50.00% 73.50

脳卒中や頭部外傷に対しての外科的治療、脳腫瘍、水頭症等の診療を担当しています。最も多いのはエダラボンを投与せずに治療を行った脳梗塞の患者さんで、次いで多いのがエダラボンを投与し治療を行った脳梗塞の患者さんです。エダラボンとは、脳梗塞の発作を起こしてから24時間以内に使用すると後遺症を軽減する効果のある脳保護薬です。三番目に頭蓋・頭蓋内損傷に対し手術を行う患者さんが多く、手術ありの場合は四番目の手術なしと比較すると平均年齢が大きく上がることが分かります。ここで示す頭蓋・頭蓋内損傷とは具体的に頭部の挫傷や開放創、頭蓋底骨折、脳震盪、外傷性硬膜外出血や外傷性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血などを含みます。当院は外傷性硬膜下血腫の患者さんが多いです。五番目は非外傷性頭蓋内血腫に対し手術等をせず保存治療を行う患者さんで他の疾患に比べて入院期間が長く転院率が高くなっています。

 

DPCコード

DPC名称

患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
020110xx97xxx0

白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼

52 2.00 2.78 0.00% 77.33
020150xx97xxxx

斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり

- - 3.17 - -
020130xxxxxxxx

原田病

- - 15.25 - -

視力の変化、眼の外観の変化、眼の異常感覚、眼の機能異常など眼の疾患や症状についての診療を担当しています。白内障の手術は、日帰りまたは1泊2日の入院で治療することができます。

注)患者数が10未満の数値は「-」としています。

 

DPCコード

DPC名称

患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
030240xx01xxxx

扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 扁桃周囲膿瘍切開術等

21 6.24 7.76 0.00% 36.86
030240xx99xxxx

扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし

21 5.05 5.45 0.00% 34.90
030440xx01xxxx

慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術

18 9.89 7.85 0.00% 33.78
030400xx99xxxx

前庭機能障害 手術なし

17 6.59 5.01 5.88% 66.24
030428xxxxxxxx

突発性難聴

11 6.45 8.93 0.00% 52.36

耳・鼻・咽喉頭・頚部の炎症性疾患、腫瘍性疾患、聴覚・嗅覚の機能障害などの診療を担当しています。最も多いのは扁桃周囲膿瘍に対して扁桃周囲膿瘍切開術を行う患者さんです。次いで扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎等の炎症性疾患で手術なしの患者さんが多く、抗生剤を投与し治療します。四番目に多い前庭機能障害は主にめまい症の患者さんを指し、点滴で治療を行います。五番目に多い突発性難聴の患者さんは、主にステロイドによる治療を行っています。

 

DPCコード

DPC名称

患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110070xx0200xx

膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし

77 6.25 7.07 0.00% 74.73
110080xx991x0x

前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 副傷病なし

77 3.21 2.49 0.00% 71.56
11012xxx020x0x

上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1なし 副傷病なし

64 4.36 5.61 0.00% 59.97
110310xx99xx0x

腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし

34 9.15 12.58 8.82% 69.44
11022xxx99xxxx

男性生殖器疾患 手術なし

24 10.21 8.98 12.50% 65.17

腎臓、尿管、膀胱、尿道に至る尿路全体と、前立腺、陰嚢内容、陰茎という男性生殖器等の診療を担当しています。前立腺癌に対して前立腺針生検を行う患者さんと、膀胱腫瘍に対し切除・全摘出を行う患者さんが最も多いです。三番目以降は、尿管結石に対し経尿道的尿路結石除去術を行う患者さん、腎臓または尿路の感染症の患者さん、男性生殖器疾患(主に前立腺炎、精巣炎、包茎、陰嚢水腫、精巣捻転など)で手術なしの患者さんの順となっています。

 

 

DPCコード

DPC名称

患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
120060xx02xxxx

子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等

65 6.77 6.09 0.00% 43.28
120060xx01xxxx

子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等

43 9.40 9.71 0.00% 45.95
12002xxx02x0xx

子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし

38 2.55 3.13 0.00% 44.13
120180xx01xxxx

胎児及び胎児付属物の異常 帝王切開術等

37 9.16 9.66 0.00% 33.57
120070xx02xxxx

卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等

34 6.41 6.21 0.00% 38.29

婦人科腫瘍や性器脱等、婦人科系疾患の診療を担当しています。上位5つは手術ありの診断群であり、手術目的の患者さんが非常に多いといえます。子宮の良性腫瘍の多くは、子宮筋腫を指します。患者さんの平均年齢は他診療科に比べ低いです。自然分娩は原則自費の為、DPC対象外となり除外しています。

 

 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 48 7.46 11.67 2.08% 50.60
110280xx99010x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 副傷病なし 31 16.26 14.23 9.68% 71.84
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 16 21.75 12.58 37.50% 83.44
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2なし - - 20.93 - -
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1あり 副傷病なし - - 7.00 - -

CKD (慢性腎臓病)、腎炎、急性腎不全の血液透析を中心とした診療を担当しています。最も多い疾患は慢性腎炎もしくは慢性腎不全の教育入院の患者さんです。二番目に多い疾患は慢性腎不全の透析導入目的の患者さんです。三番目は尿路感染症の患者さんで、主に抗生剤治療を行います。四番目はネフローゼ症候群で主にステロイド治療を行う患者さんが多いです。五番目に多いのは腎生検目的での入院患者さんです。

注)患者数が10未満の数値は「-」としています。

 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
130010xx97x2xx

急性白血病 手術あり 手術・処置等22あり

56 43.77 39.36 1.79% 65.27
130030xx99x40x

非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等24あり 副傷病なし

42 15.05 15.79 0.00% 77.83
130030xx97x40x

非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等24あり 副傷病なし

21 41.57 31.30 9.52% 73.90
130060xx97x40x

骨髄異形成症候群 手術あり 手術・処置等24あり 副傷病なし

14 23.57 20.30 0.00% 75.86
130010xx97x0xx

急性白血病 手術あり 手術・処置等2なし

13 13.62 15.08 7.69% 81.46

 

DPC6桁分類 疾患名 患者数
130030 非ホジキンリンパ腫 95
130010 急性白血病 79
130040 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 27
130050 慢性白血病、骨髄増殖性疾患 18

 

当院の血液内科は、血液・化学療法内科の一部門であり、「血液のがん」を中心に診療に当たっています。血液のがんの中では悪性リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫がもっとも高頻度で発症する疾患であり、当院でも多数を占めています。リンパ腫の病理診断は非常に専門性の高い分野であるため、近隣の大学病院とも提携して精度の高い診断を心がけております。現時点での最良の治療成績が確認されている標準療法を基本としており、必要時には自己末梢血幹細胞移植のような高度な治療も安全に実施いたします。多発性骨髄腫においては、積極的に分子標的療法を取り入れ、治療効果はもとより日常生活動作(ADL)の回復・維持も大事な目標としています。
急性白血病においては、8床のクリーンルームを使用して、十分な感染対策のもと「治癒」を目指した治療を展開しております。造血幹細胞移植については、自院で実施するほか、必要に応じて移植の専門施設へのスムーズな紹介を行い、個々の患者さんが快癒することを最優先に考えております。骨髄異形成症候群も白血病の仲間ですが、これと合わせてご高齢の場合や合併症の状況により標準療法が行えないときには、低容量の化学療法や緩和医療など、患者さんに合わせた治療を提案いたします。
以上、血液のがんは治療に長期間を要することが多々あります。当科では、治療が完了しその後の経過観察に至るまで一貫して、責任を持って診療にあたっておりますので、病期や状態にかかわらず受診していただくことができます。実際にご高齢の方や、合併症を抱えた方などを多く受け入れているため、大学病院や高度急性期医療を担う医療機関とくらべて、平均在院日数が長くなる傾向にあります。
また、がん以外の血液疾患も積極的に診療に取り組んでおります。血小板減少症、溶血性貧血、巨赤芽球性貧血などがあげられますが、疾患名が多岐にわたりかつ稀少な疾患のため、個々の年間の症例数は少数です。原因不明の血小板減少や貧血は血液内科にてご相談ください。

注)上段の表は治療内容による細分化されたDPCコードにて記載しておりますが、血液疾患は適切な治療が細分化されているため少数に分散され、診療実績を把握することが難しくなっています。下段に医療の専門家でない方にもわかりやすいよう、疾患名だけでの分類となるDPC6桁分類での実績を記載しております。

 

 

 

DPCコード

DPC名称

患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060035xx99x60x

結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等26あり 副傷病なし

76 3.67 4.40 0.00% 74.75
060020xx99x50x

胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等25あり 副傷病なし

34 3.29 7.32 0.00% 72.18
060035xx99x50x

結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等25あり 副傷病なし

34 3.35 4.26 0.00% 73.68
110070xx99x20x

膀胱腫瘍 手術なし 手術・処置等22あり 副傷病なし

33 5.94 10.65 0.00% 70.61
060020xx99x30x

胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等23あり 副傷病なし

25 5.08 6.39 0.00% 63.84

薬物療法を行う悪性腫瘍(胃癌、結腸癌、直腸癌、精巣癌、前立腺癌など)の診療を担当しています。薬物療法のみならず、副作用対策についても様々な工夫を行っています。結腸癌、胃癌、膀胱癌の順で入院される患者さんが多いです。化学療法目的のサイクル入院が多いため、在院日数は短いです。原則として、当院で継続し治療を行っていくことができます。

 

 

DPCコード

DPC名称

患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
100071xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術・処置等21あり 副傷病なし85歳未満 24 15.46 14.10 8.33% 61.83
100391xxxxxxxx 低カリウム血症 13 22.38 12.70 30.77% 73.77
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 副傷病なし 12 16.75 13.41 0.00% 44.00
100285xxxxxxxx ADH分泌異常症 12 15.17 16.98 16.67% 81.08
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 12 17.25 12.58 16.67% 79.92

代謝・内分泌内科では、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症(痛風)、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、甲状腺機能低下症(橋本病)、甲状腺腫瘍、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、アジソン病、副腎腫瘍、下垂体腫瘍、先端肥大症、尿崩症、副甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能低下症、ビタミンD欠乏症、骨軟化症、骨粗鬆症、低ナトリウム血症、低カリウム血症、低マグネシウム血症など、内分泌代謝疾患を幅広く担当しています。

 

 

DPCコード

DPC名称

患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040081xx99x00x

誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし

143 26.74 20.84 38.02% 86.42
160690xx99xx0x

胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし

31 20.35 19.40 83.87% 83.06
0400801499x002

肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なしA-DROP スコア2

21 22.00 15.17 16.82% 82.65
0400801499x001

肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なしA-DROP スコア1

20 17.48 13.48 5.00% 82.50
040081xx97x0xx

誤嚥性肺炎 手術あり 手術・処置等2なし

10 34.43 39.25 33.33% 81.30

一般内科では、誤嚥性肺炎や熱性疾患の患者さんを中心に治療を行っています。
高齢の患者さんは、引き続きリハビリを継続する必要が高く、転院する患者さんが多いです。再発・予防・栄養摂取のため、胃瘻造設や中心静脈注射用植込型カテーテル設置などが行われる患者さんは、平均在院日数が長くなる傾向にあります。
「肺炎等」はウイルス性・誤嚥性・間質性以外の肺炎のことを指し、主に細菌性肺炎のことを指します。年齢が高く、A-DROPスコア(*)の値が大きいほど在院日数が長くなります。
二番目の胸椎、腰椎以下骨折損傷は圧迫骨折の患者さんが多く、コルセットを作成しリハビリを行っています。また、早期に患者さんが日常生活に復帰できるように回復期の病院を紹介しているため、他の疾患よりも転院率が高くなっています。

(*)A-DROPスコア:年齢、性別や血液中の酸素濃度、脱水症状の有無、意識障害の有無等で0~5または不明に重症度を分類しています。

 

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発

再発

病期分類
基準(※)

版数

Stage I

Stage II

Stage III

Stage IV

不明

胃癌

24 - - 57 - 40 1 7,8

大腸癌

17 23 63 71 13 141 1 7,8

乳癌

12 - 12 - - - 1 7,8

肺癌

14 - 14 58 20 19 1 8

肝癌

- - - - - 16 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

病期分類基準はUICC TNM分類を使用しました。
これはがんの進行度を判定する基準として、国際的に活用されている国際対がん連合(UICC)採用のがんの分類方法です。
各種の検査結果から原発がんの大きさ・広がり・深さをT、原発がんの所属リンパ節転移の状況をN、他の臓器への遠隔転移状況をMとして区分し、それらを総合して病期(Stage)を判定しています。
初発:自施設において、当該腫瘍の診断、あるいは初回治療を実施した場合を指します。 
再発:自施設・他施設を問わずに初回治療が完了した後、自施設にて患者さんを診療した場合や、治療がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。また、サイクル入院であっても前回入院時と異なる治療レジメンを実施した場合、再発扱いとなります。
日本で発症症例数が多い5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の延べ患者数を初発の病期分類別および再発に分けて集計しました。
当院は血液・化学療法内科があり、がんの診断から手術・その後の化学療法まで一貫して行うことができるため、治療レジメン変更後も当院で継続して治療が受けられます。大腸癌の再発の値が大きい理由としては、一連の治療の中で複数の治療レジメンを使用するため、前述の通り再発の患者数が多くなっています。


注)患者数が10未満の数値は「-」としています。
集計期間内に同一患者が複数回入退院した場合、延べ患者数として数えます。

 

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数

平均
在院日数

平均年齢

軽症

23 9.43 54.83

中等症

148 19.67 78.36

重症

27 26.74 82.15

超重症

13 29.77 82.23

不明

- - -

 


・市中肺炎…病院外で日常生活中に発症した肺炎のことです。院内での発症は含みません。
・重症度…身体所見、年齢による肺炎の重症度分類(A-DROPシステム)により、年齢性別や血液中の酸素濃度、脱水症状の有無、意識障害の有無等で0~5または不明に分類しています。数字が大きいほど重症です。
軽症:0点 中等症:1~2点 重症:3点 超重症:4~5点
・集計対象…期間内に退院した患者さんのうち、肺炎をきっかけに入院し、その治療に最も医療資源を投入した患者さんです。
ただしウイルス性肺炎、誤嚥性肺炎は除いています。

重症度別の患者数では、中等症の患者さんが最も多く次いで重症の患者さんが多い結果となりました。軽症~中等症の患者さんが約81%を占めており、超重症の患者さんは少ないことが分かります。
重症度不明の患者さんはおらず、当院では重症度の評価が入院時に適切に行われているといえます。平均年齢・平均在院日数は重症になるにつれて、あがる傾向にあります。


注)重症度不明は0件ですが、病院情報公表の規定に従い「-」としています。
集計期間内に同一患者が複数回入退院した場合、延べ患者数として数えます。

 

脳梗塞の患者数等

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発症日から

患者数

平均在院日数

平均年齢

転院率

3日以内

119 20.43 78.66 43.31%

その他

- - - -

医療資源を最も投入した傷病名が脳梗塞の患者さんを対象として、その発症から入院までの日数別に患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を表しています。当院の脳梗塞の患者さんの多くは発症から3日以内であり、急性期治療がメインとなっています。集計項目が発症日から3日以内とその他に分けていますが平均在院日数と平均年齢においては大きな差異はありませんでした。当院では急性期・回復期・維持期のスムーズな脳卒中診療体制を確立する脳卒中地域連携パスを2014年9月より開始し、地域の回復期病院との連携を強化しています。

注)患者数が10未満の数値は「-」としています。
集計期間内に同一患者さんが複数回入退院した場合、延べ患者数として数えます。

 

 

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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Kコード

名称

患者数

平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K7211

内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)

302 0.30 1.13 0.00% 66.57
K6871

内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの)

25 6.68 8.80 4.00% 69.20
K688

内視鏡的胆道ステント留置術

24 5.54 14.92 8.33% 77.63
K6532

内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層)

18 1.11 6.56 0.00% 72.61
K654

内視鏡的消化管止血術

18 0.83 9.67 5.56% 69.50

内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術が圧倒的に多く行われており、ほぼ全ての患者さんは術後1~2日で退院しています。この手術はポリープを切除する目的で行われていますが、早期大腸癌の発見に対しても非常に有用です。内視鏡的乳頭切開術は、総胆管結石や胆管結石性胆管炎などに対して行われます。内視鏡的胆道ステント留置術は、総胆管結石や癌などによる胆道狭窄・閉塞・感染に対し行います。内視鏡的消化管止血術は、出血を伴う胃・十二指腸潰瘍、消化管出血、胃癌や食道癌からの出血等に対して行われます。

 

 

Kコード

名称

患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 69 2.19 3.62 2.90% 70.52
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 26 6.77 14.35 7.69% 82.04
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 24 0.25 15.96 8.33% 69.21
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 15 0.00 14.20 0.00% 68.53
K597-2 ペースメーカー交換術 - - - - -

経皮的冠動脈ステント留置術が最も多く施行されています。通常、あらかじめ抗血小板剤の投与にて副作用が認められないことを確認してから、薬剤溶出性ステントを留置しています。一番多い経皮的冠動脈ステント留置術(その他)と、三、四番目に多い経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症、急性心筋梗塞)は、平均術前日数、平均術後日数ともに差があります。経皮的冠動脈ステント留置術(その他)は予定手術で、経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症、急性心筋梗塞)は主に緊急手術になります。そのため、在院日数に違いがあるといえます。

注)患者数が10未満の数値は「-」としています。

 

 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 74 2.62 5.81 2.70% 57.62
K6335 鼠径ヘルニア手術 73 1.49 2.66 0.00% 67.11
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 56 0.75 3.54 0.00% 33.91
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 28 1.04 2.75 0.00% 60.71
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 26 12.04 17.27 3.85% 72.69

胆石症、胆嚢炎、虫垂炎、鼠径ヘルニアなどの疾患に多く手術が施行されています。多くはクリニカルパスを用いて計画的に治療されるため、在院日数の減少が達成されています。鼠径ヘルニアには腰椎麻酔下前方手術、全身麻酔下腹腔鏡手術の双方が行われ、個々の患者さんの病態によって選択されています。虫垂炎については殆どが腹腔鏡下手術が行われ、短期社会復帰に寄与していると考えられます。結腸癌、胃癌などの消化器癌については、消化器内科、化学療法内科とも協同しキャンサーボードなどの協議をへて、手術的治療はもちろん手術以外の集学的治療も診療科横断的に施行され、治療成績の向上に寄与していると考えられます。

 

 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K0461

骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿)

144 1.86 22.57 65.97% 80.43
K0462

骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨)

88 1.23 6.05 15.91% 59.28
K0811

人工骨頭挿入術(肩,股)

75 4.69 24.39 88.00% 82.93
K0731

関節内骨折観血的手術(肩,股,膝,肘)

50 1.52 15.26 46.00% 64.06
K0301

四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(肩,上腕,前腕,大腿,下腿,躯幹)

49 1.00 4.67 0.00% 52.49

骨折に対する手術が多く施行されています。最も多い手術は高齢者に起こりやすい大腿骨近位骨折に対する手術です。当院は急性期病床を有する急性期病院としても地域医療に貢献しています。引き続きリハビリが必要な患者さんには、地域連携パスを活用した病病・病診連携を利用しているため転院率が高くなっております。

また、上記の表はKコードごとに細分化されており手術実績を把握することが難しくなっているため、手術名ごとの患者数を以下に掲載します。

手術名

患者数

骨折観血的手術 274
関節内骨折観血的手術 87
人工骨頭挿入術(肩,股) 75
四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術 60

 

 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 23 0.83 11.96 21.74% 80.13
K654 内視鏡的消化管止血術

-

-

-

-

-

K060-32 化膿性又は結核性関節炎掻爬術(胸鎖,肘,手,足)

-

-

-

-

-

K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭)(硬膜下)

-

-

-

-

-

K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所)

-

-

-

-

-

慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術が最も多く施行されています。慢性硬膜下血腫は脳の萎縮がみられる高齢者に多く起こります。平均術前日数が短く、入院後すぐに手術を行っています。

注)患者数が10未満の数値は「-」としています。

 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 50 0.00 1.00 0.00% 77.06
K2425 斜視手術(直筋の前後転法と斜筋手術)

-

-

-

-

-

K279 硝子体切除術

-

-

-

-

-

K2821イ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(縫着レンズを挿入するもの)

-

-

-

-

-

K2422 斜視手術(後転法)

-

-

-

-

-

白内障に対する水晶体再建術が最も多く施行されており、全ての患者さんが手術を行った次の日に退院しています。外来でも日帰りの白内障治療を数多く行っています。

注)患者数が10未満の数値は「-」としています。

 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 21 0.48 4.76 0.00% 36.86
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) 15 1.13 7.73 0.00% 33.33
K3772 口蓋扁桃手術(摘出)

-

-

-

-

-

K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満)

-

-

-

-

-

K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術)

-

-

-

-

-

扁桃周囲膿瘍切開術が最も多く施行されており、この手術は扁桃周囲膿瘍に対して行われています。次いで多い鼓室形成手術は、真珠腫性中耳炎に対して施行されています。三番目の口蓋扁桃手術は扁桃病巣感染症に対して施行されています。

注)患者数が10未満の数値は「-」としています。

 

Kコード

名称

患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 76 1.41 3.89 0.00% 74.70
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 62 1.05 2.31 0.00% 59.74
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 28 0.57 11.11 14.29% 71.39
K7981 膀胱結石,異物摘出術(経尿道的手術) 21 1.57 5.76 4.76% 68.33
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除術(ホルミウムレーザー) 17 1.00 3.94 0.00% 74.18

膀胱癌に対する経尿道的膀胱悪性腫瘍切除術が最も多く行われています。再発が多く同じ手術を複数回行う症例があります。次いで経尿道的尿路結石除去術が多く、再発のため複数回同じ手術を行う症例があります。当院の特徴として、前立腺肥大症に対するHoLEP(経尿道的レーザー前立腺切除術(ホルミウムレーザー))を名古屋地区で最も早い時期に導入し、昨年度は17件の施行実績があります。「HoLEP」は、経尿道的前立腺切除術(TURP)よりも出血および術後の疼痛が少なく、内視鏡の先についたレーザーメスで肥大した前立腺腺腫を安全・確実に切除していく手術です。いずれも腹部を切らずに尿道から電気メスなどの器具を挿入して行う低侵襲な経尿道的手術です。
上記結果以外の特徴として、日帰り手術の体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を多数行っている他、あらゆるタイプの尿路結石に対応した治療を施行していることから、他県の医療機関からも患者さんが紹介されます。

 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 62 1.08 4.71 0.00% 46.76
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 53 1.21 4.62 0.00% 39.83
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 43 1.72 7.28 0.00% 33.30
K867 子宮頸部(腟部)切除術 39 0.03 1.51 0.00% 44.38
K877 子宮全摘術 37 1.05 7.97 0.00% 48.57

腹腔鏡下膣式子宮全摘術が最も多く施行されています。主に子宮筋腫や子宮腺筋症などに対して行われる手術です。腹腔鏡下子宮附属器腫瘍摘出術は、卵巣腫瘍や卵巣捻転に対して行われます。腹腔鏡下手術は、術後の痛み軽減や侵襲が少なく傷が小さいなどの利点があり、この術式を選択する患者さんが増えつつあります。五番目に多い子宮全摘術は全症例開腹で施行されており、腹腔鏡下膣式子宮全摘術と比較して平均術後日数が長くなっています。選択的帝王切開術は予定入院の患者さんが多いです。子宮頸部(腟部)切除術は子宮頸部異形成や子宮頚上皮内癌に対して行われています。患者さんの平均年齢は他診療科に比べ低いです。

 

 

 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈,静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 29 5.03 18.62 6.90% 71.97
K726 人工肛門造設術 - - - - -
K775 経皮的腎(腎盂)瘻造設術 - - - - -
K7401 直腸切除・切断術(切除術) - - - - -
K735-4 下部消化管ステント留置術 - - - - -

抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置が圧倒的に多く施行されています。この手術は悪性腫瘍の患者さんに対し、抗悪性腫瘍剤の局所持続注入または疼痛の制御が目的であり、がん患者さんのQOL(*)向上に努めています。ステント留置術は癌による消化管や尿管の狭窄の緩和目的で行っています。

(*)QOL:クオリティ・オブ・ライフの略で人生の質、充実度のことをいいます。

注)患者数が10未満の数値は「-」としています。

 

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC

傷病名

入院契機

症例数

発生率

130100

播種性血管内凝固症候群

同一

-

-

異なる

-

-

180010

敗血症

同一

19 0.23%

異なる

14 0.17%

180035

その他の真菌感染症

同一

-

-

異なる

-

-

180040

手術・処置等の合併症

同一

51 0.62%

異なる

10 0.12%

播種性血管内凝固症候群は、さまざまな重症の基礎疾患により、全身の血管内で血栓ができる病態です。敗血症は血液が細菌に感染することにより全身に炎症を起こす病気です。肺炎や尿路感染症、腹膜炎、悪性腫瘍などが原因になります。
入院契機の「同一」「異なる」は入院の契機である疾患と最も医療資源を投入した疾患が同一か異なるかということです。異なる疾患については、入院契機である基礎疾患が原因で播種性血管内凝固や敗血症に移行したと思われます。発生率は全退院患者数で各疾患の患者数を除したものです。
手術・処置などの合併症には、術後創部感染や出血、カテーテル感染症・破損、縫合不全などがあります。一定の確率で起こり得るものであり、完全になくすことはできません。起こりうる合併症に関しては事前に十分な説明を行い、発症が最小限になるよう努めています。


注)患者数が10未満の数値は「-」としています。
集計期間内に同一患者が複数回入退院した場合、延べ患者数として数えます。

 

 

更新履歴
2020/09/28  初版公開
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